創立百周年記念事業

百周年歴史写真集「白亜の記録」  明治36年(1903)に本校は熊本県立熊本中学校玉名分校として現在地に開校しました。平成15年(2003)年に創立百周年を迎え、在校生、保護者、教職員、同窓会、同窓生が一体となって各種記念事業を成し遂げました。百周年歴史写真集「白亜の記録」の写真と記事をもとに記念事業の数々を振り返ります。

1.記念式典

 平成15年10月25日(土)玉名高校第一体育館、第二体育館(同時中継会場)
 来賓、在校生、職員、同窓生など約1600名が出席して、厳粛な雰囲気の中にも盛大に催された。堀部洋二校長(高14)の式辞、福富同窓会長の祝辞のあと、馬場生徒会長が「先輩方の活躍や伝統を踏まえ、輝かしい歴史を創っていきたい」と誓いの言葉を述べた。式典後、野球評論家の衣笠祥雄氏が「野球から学んだもの」と題して記念講演を行い、「夢は大きな力を持つ」と生徒に訴えた。
 


2.記念体育祭

 平成15年5月18日(日)
 今や全国区になった伝統の応援合戦は、創立60周年で人文字「玉・名・6・0」を描くなど50年以上の歴史を誇る。時事問題に対する生徒の感性が生かされた人文字には、保護者だけでなく、地域の方々からの関心や期待にも絶大なものがある。テレビ中継や新聞報道などの反響は大きく、「今どき、こんな若者がいることに感動しました」という電話やお便りが毎年寄せられている。百周年を記念して同窓会から若駒杯が寄贈され、総合優勝した黄団が初めて獲得した。また、当日は同窓生用の櫓も用意され、多くの同窓生が櫓の上から後輩たちの活躍を見守った。
 
 

3.記念文化祭

 平成15年10月17日(金)~18日(土)
 百周年にちなんで、1年生は玉高新聞などをもとに「玉高百年の歩み」展を発表した。昔の学校や生徒の様子が紹介され、立ち止まって興味深く眺める生徒たちの姿が多く見られた。また、プールでは10人のウォーターボーイズが登場し、観客も一体となって30分間、テンポのある動きを楽しんだ。本館玄関から入ったところにある歴史資料室が一般公開され、旧制玉中や高瀬高女時代の貴重な資料に注目が集まった。また、過去の応援合戦の写真を集めたアルバムを懐かしがって見入っていた。
 
 

4.小岱山一周大会

 平成14年11月1日(金)
 記念事業の幕開けとなった小岱山一周大会は、創立80周年を記念して復活し、20回目を迎えた。復活当初、男子は小岱山頂を駆け抜けるコースであったが、現在は男女とも南関町、荒尾市と小岱山周年を回る約32kmを2時間半~6時間かけて思い思いのペースでゴールを目指している。毎年、育友会のお世話で、ぜんざいやおにぎりを準備していただいており、生徒には大変好評である。同窓会から百周年を記念して作られたのぼり旗200本が沿道に配置され、大会の気分を一層盛り上げた。表彰式では福富同窓会長より上位生徒にメダルが贈られた。(現在は学校から九州看護福祉大学、広域林道を通り、古小代の里公園までの往復コースとなっている)
 

5.若駒寮増改築

  旧若駒寮は昭和9年(1934)の建築とみられる木造2階建ての個人住宅(松原邸)を、昭和30年代前半に同窓会が購入したもので、昭和59年に鉄骨2階建ての東館が完成し、部活動で利用されてきた。老朽化とともにシロアリ等の被害も甚大になり、東館の建物と合わせ、卒業生、在校生各世代の交流をはかるために改修を計画。同窓生による設計コンペの結果、渡辺徳弘氏(高40)の作品が選ばれた。「青春の記憶装置」という理念で、吹き抜けの空間を設けるなど独自の表現が評価された。昔の日本建築を彷彿させる大きな梁のある多目的室や土間ギャラリーなどふんだんに木材が用いられており、温かみを感じさせる建物となっている。部活の合宿や同窓会の会合などで利用されている。
 

6.記念祝賀会

 平成15年10月25日(土) 司ロイヤルホテル
 旧制玉中・高瀬高女・玉高の同窓生、職員など約730名が参加して開かれた。遠くはアメリカから米国高瀬会の6人も駆けつけ、ロビーまで参加者が溢れるほどの大盛況であった。箏曲愛好会が奏でる美しい琴の調べで始まった祝宴はすぐにあちこちで同窓生の輪ができ、百年に一度の盛り上がりを見せた。関島秀樹氏(高25)の新曲「玉高を忘れない」を一緒に歌いながら、それぞれの高校時代に思いを馳せた。
 

7.本館ライトアップ

 平成15年10月23日(木)~25日(土)
 昭和12年(1937)の本館竣工時と同じように、ライトアップが3日間行われた。本館も百周年を前に塗装の塗り直しが施され、まさに竣工時の輝きを取り戻した「白亜の殿堂」である。当時は落成式後、提灯行列が行われ、行列が正門にかかると屋上から空高く花火が打ち上げられた。学校関係者だけでなく地域の方々の喜びもひとしおであったに違いない。
 

8.同窓会美術展

 平成15年10月15日(水)~19日(日) 県立美術館分館4階
 平成15年10月21日(火)~26日(日) 玉名市民会館2階
 洋画・日本画・彫刻・デザイン・写真などに68名が109点出品した。熊本会場、玉名会場合わせて約2000名の入場者があり、マスコミからも注目された。なかでも石井了介氏の「家鴨」や川本末雄氏の「錦秋」、植田いつ子氏の「作品集」などが話題を呼んだ。同時に歴史写真展も開催された。
 
     

9.同窓会書道展

 平成15年10月15日(水)~19日(日) 県立美術館分館4階
 平成15年10月21日(火)~26日(日) 玉名市民会館2階
 同窓生や在職経験のある教職員が漢字・かな・篆刻・近代詩文などに19歳の大学生から91歳まで79名が出品した。大先輩から新卒まで幅広く断続的に偏りのない配列となり、作品の大きさと作品様式がバラエティーに富んでいた。会場では同窓生同士で作品を鑑賞したり、作品の解説をする姿が見られた。
 

10.記念音楽祭

 平成15年10月19日(日) 玉名市民会館大ホール
 音楽部の女声合唱で静かに幕を開けた記念音楽祭は、現役玉高生をはじめ、国内外の第一線で活躍しているOB・OGや玉高に所縁のある方々によって、ピアノ・ヴァイオリン・フルート演奏や独唱・合唱など素晴らしい演奏や歌声の数々が披露された。最後に参加者全員による旧制玉中、高瀬高女、玉高校歌の大合唱で創立百周年を華やかに祝った。
 
 

11.ゴルフ大会

 平成15年10月26日(日) キングヒルズC.C(玉名市)
 平成9年に誕生した玉名高校ゴルフ愛好会(TGA)は毎年、定例コンペを5月5日に開催しているが、百周年を記念して式典の翌日に203名(女性5名、アメリカから3名)が参加して開催された。卒業年度ごとに記念撮影をしたあと、スタートした。ネットの部の優勝は朝岡隆氏(旧職員)、2位藤本祐二氏(高30)、3位平島要一氏(高21)。また、グロスの部の優勝は堀尾慎彌氏(高3)、2位山下勇夫氏(高32)、3位西林和美氏(高20)。チャリティーホールでは11万4千円が集まり、共同募金会に寄付された。懇親会も大盛況で、同窓生が新旧相和し、縦のつながりがさらに深められた有意義な大会となった。
 
 

12.登録有形文化財

 百周年記念事業実行委員会の本館保存委員会が中心となり、平成12年12月に県教育庁に文化財登録の請願を行った。県教育委員会では、この請願を受けて平成13年2月に推薦状を文化庁に提出し、平成13年3月16日付けで登録が承認された。
 この制度は平成8年度に始まったもので、優れたデザインを持ち、住民に親しまれている築後50年以上の建造物を対象としている。本館、正門、前庭池はいずれも昭和12年に建造されたもので、本館は幾何学的なデザインが取り入れられ、旧制中学の本館としては、県内で唯一の戦前の建造物である。前庭池は旧制中学の「中」を表現したものと言われ、正門から続くアプローチは創建当時の姿を残している。